国際的なMBA認証機関3団体の認定を受けた世界有数のビジネススクール

国連の活動にも寄与、「企業の社会的責任(CSR)」に力を入れる
1900年に創設された、ヨーロッパで最も評価が高いビジネススクールの一つである。”Audencia”(オーダンシア)とは、ラテン語のaudientia(聴くこと)またはaudacia(大胆さ)から生まれた名称だ。フランス西部の都市ナントを拠点とし、パリと中国の北京にも1つずつキャンパスが置かれている。フランスのエリート養成学校である“グランゼコール”が母体となっているだけあり、教授・学生の質はトップクラスである。
歴史あるスクールというだけでなく、国際的に評価が高いことでも知られている。1998年に、MBAを評価する代表的な国際的機関EQUIS(European Quality Improvement System:ベルギー)の認証を受けた。その後AACSB(Association to Advance Collegiate Schools of Business:アメリカ)とAMBA(Association of MBAs)からの認証も受けているが、現在、世界のビジネススクールの中でこれら3団体すべての認証を持つのは約1%にすぎないとされている。また、Financial Times等が実施する世界MBAランキングでも常時名前が挙がる名門校である。
ビジネススクールとしては、国連の活動に寄与していることでも特徴がある。2004年、企業と一般社会を結び、労働と環境・人権にまつわる10の原則を制定する「国連グローバル・コンパクト」(UNGC)に、フランスのビジネススクールとして初めて参加した。また、世界の学術機関の責任ある経営を促進する国連の「責任ある経営教育原則(Principles for Responsible Management Education)定義に携わり、同イニシアティブへの署名を行っている。
こうした経緯から、プログラムの中核に企業の社会的責任(CSR)を据え、同校の研究・教育・管理に採り入れている。世界各地の企業の担当者と協力し、社会・経済・環境の上での課題を解決するresponsible managementのコースに特に定評がある。
同校のInstitute for Corporate Social Responsibilityという研究所では、今日のビジネスにおける課題を発見し、それらを革新的に解決する方法を見出している。その主な活動は、下記のようなものである。
- 研究および教育を通して、知識の吸収と伝達を行う。
- 奨学金プログラムを活用し、多様性に富んだ学生を受け入れる。
- 同校のネットワークを生かし、持続可能なビジネス社会を実現する起業家や企業を支援する。
単に経営手法を学ぶだけでなく、企業の社会的責任といった今日的課題に関心の高い人にとっては、非常に魅力的なスクールだと言えるだろう。
広範囲なネットワークを生かして就職をサポート
フランスのスクールではあるが、世界各地の87の国から来た学生が学んでおり、授業は広範囲に英語で行われている。中にはフランス語のプログラムもあり、英語とフランス語両方で学ぶといったことも可能だ。教室内で授業を行うだけでなく、インターンシップ、コンサルティングプロジェクト、企業訪問、企業の専門家によるセミナー等、多彩な機会を用意している。
講師陣は、それぞれの専門分野における教授経験のみならず、実際に企業で勤務した経歴を持ち、経験に基づいた実践的な指導を行う。MBAプログラムでは、講師の約半数が、海外から招いた講師となっている。
それでは、同校で人気が高いMBAプログラムについて紹介しよう。フルタイムのMBAプログラムは、英語で提供されている。学士号、最低3年以上の実務経験が必要とされる。コースは1年間であり、corporate finance、entrepreneurship、corporate social responsibility (CSR)、innovationといった分野から2つの専門を選ぶことになる。企業との連携により、ケーススタディ、グループワーク、インターンシップなどが盛り込まれる。例年、35名程度の少人数クラスであるのも特徴的だ。早期出願者を対象とした奨学金をはじめ、MBA向けの奨学金やローンも充実している。
また、英語とフランス語を同時に利用したエグゼクティブMBAのコース(パートタイム)も用意されている。企業の幹部としてのスキルを鍛えるもので、8年以上の実務経験および管理者としての業務経験が必要だ。
MSC International Master in Management(IMM)という18カ月のコースは、プログラムを自分の興味や目標に合わせて選択し、グローバルな知識を持つ専門家からビジネスマネジメントについて学ぶ。このIMMは、フランスの高等教育機関「グランゼコール評議会」の認定を受けている。出願にあたり、職歴は必須ではない。学士号取得後、直接、もしくは職歴1~2年の後に、修士コースに進学を希望する人向けのプログラムだ。
修了後、職種や収入レベルなど、自分の目標に合った就職先を見つけるためのキャリアサポートも充実している。同校は、110の国に広がる1万6,000人以上の卒業生のネットワークを誇っており、その中で企業のCEOに就いた者は2,000人以上に上るそうだ。さらに、150のビジネスパートナー、57カ国に広がる207のアカデミックパートナーといったネットワークがあり、それらが在学中のインターンシップや修了後の就職活動に生かされている。修了後にグローバルなキャリアを築きたいと考えている人にとっては、安心して学ぶことができる環境だと言えるだろう。
なお、2010年、Audenciaはメディアとコミュニケーションの学校ScienceComおよびpost-baccalaureate(ポストグラデュエート)教育のÉcole Atlantique de Commerceと統合し、学校全体でマネジメントやコミュニケーションに関するプログラムを強化している。
「最も住みやすい街」ナントでの学生生活
Audenciaの4つのキャンパスがある都市ナントは、15以上の大学が置かれている学生の街だ。米Time誌より「ヨーロッパで最も住みやすい街」に選ばれたことがあり、EUから「欧州グリーン首都賞」も受けている。公共交通機関が充実した便利な都市である一方、緑に囲まれた快適な環境の中で過ごすことができる。治安がよく、パリよりも物価が安く生活しやすいことも、人気が高い理由である。パリへは高速鉄道で2~3時間と比較的近い距離にあり、週末にパリを日帰りで訪れることもできる。
ナントのキャンパスは、ロワール川河畔に立つナント大学に隣接、2万3,000平方メートルもの広大な敷地を持つ。学校の歴史は古いが、校舎は近代的で新しい。膨大な書籍とデータベースを備えたマルチメディアライブラリがあり、図書館司書たちは、デジタルツールの使い方や資料の検索方法をサポートしてくれる。落ち着いた環境の中で勉強に専念したい人には理想的なキャンパスだと言える。
「Audenciaは、古くからエリートを養成してきたスクールとして、高い評価を受けています。教育の質、コストの面で、世界各国の学生にとって非常に魅力的な存在となっています。学生の多様性は、フランスの他のスクールでは類を見ないほどです」と、学校の担当者は語る。生活に当たってはある程度フランス語が必要だが、学内で勉強するうえでは英語のみで問題ない。フランスの地方都市の文化を楽しみながらヨーロッパ第一線の教育を受けることができるスクールだ。
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国際認証
- AACSB
- AMBA
- EQUIS
- EPAS
世界ランキング
- Financial Times
- 2018年
- 46位
- Economist
- 2018年
- 90位
- Better World MBA
- 2018年
- 24位
- Le Parisien
- 2019年
- 8位
SCHOOL DATA
- 大学名
オデンシア・ビジネススクール
- 国名
フランス
- 所在地
8 route de la joniliere
- ビジネススクール名
オデンシア・ビジネススクール
- 電話番号
(+)33240373434
- 設立
1900年
- プログラム
フルタイムMBA、マネジメントの理学修士(MSc)
プログラム
フルタイムMBA
- 授業料
31,500 € (2019年度)
- 学生数
35名(2019年度)
- 必要在籍期間/開始月
1年/9月
- 入学資格
3年以上の就業経験、学士号、英語能力
- 概要
MBAの1年コースでは、めまぐるしく変わる現代のビジネス環境における経営の仕方を考え直す、ユニークな経験ができる。総合的なビジネス・トレーニング、経験的な学習、革新的な設計のされたカリキュラムを通して、思いつきを実践的な発想に育てる力をつけられる。
マネジメントの国際修士号
- 授業料
18,000 € (2019年度)
- 学生数
100名(2019年度)
- 必要在籍期間/開始月
18カ月/9月
- 入学資格
学士号、英語能力
- 概要
オデンシア・ビジネススクールでは世界中から集まる優秀なイノベーター達とともに学ぶことができる。さらに、国際修士号(IMM)プログラムでは、国際色豊かなキャンパスとカリキュラムを通してグローバル・エキスパートに直接、学ぶことができる。
外国人留学生への支援と施設
- 早期出願の奨学金制度
1月31日までにMBAコースに出願した場合、学費の50%をカバーする奨学金がある。
- エグゼクティブ・リーダー・フェローシップ(MBAコースのみ)
プログラムにある4つの専攻の1つに特化したプロジェクトベースの奨学金が、50%をめどに提供される。