Interview
多言語対応の講座で、実務に役立つスキルを学ぶ
劇場映画『カサノバ~最期の恋~』をはじめ、配信ドラマやドキュメンタリー番組、企業動画など、多彩な分野の字幕翻訳を手がける茂岡さん。大学では美学芸術学を専攻し、料理にも興味があったことからフランス語を学び、語学留学を経験。卒業後は飲食業界に進んだものの30歳で退職し、ワーキングホリデー制度を利用して1年間フランスに滞在した。
「ワーキングホリデーではファームステイをしながらさまざまな地方を巡り、地元の人々とじっくり向き合いました。この経験で身に付いたヒアリング力が、今の仕事に生きています」
帰国後は、フォアクロスの「マルチリンガル総合吹替」講座と「マルチリンガル字幕入門」講座を受講した。フォアクロスを選んだのは、多言語に対応していること、そしてフランスからの茂岡さんの問い合わせに丁寧に対応してくれたことが決め手となった。いずれの講座も原語を直訳した日本語のテキストを使い、日本語を字幕や吹き替えにブラッシュアップするスキルを培っていく。
映像翻訳業界で20年以上の経験を持つ新井先生は、「業界最多クラスの33言語に対応し、映像翻訳を行う当社の強みを生かし、講座では受講生のキャリアにつながる指導を目指しています」と話す。
茂岡さんは講座を振り返り、「実践を主軸に置き、リサーチの重要性や申し送りの書き方まで教えていただけたことが、今の仕事に役立っています」と語る。
仕事をしながら、向上心をもって日々学び続ける
字幕翻訳の仕事に携わる中で、茂岡さんは改めて日本語と向き合う時間が多いことを実感している。 「例えば映画なら、俳優の演技や衣装、セットなどのすべてを、観客が一度に認識できるように作られています。字幕はその邪魔にならないよう1秒3~4文字と定められている文字数を守ったうえで、観ている人が立ち止まってしまわない言葉を選び、字のバランスや改行の位置を考慮し、一読して理解しやすい訳にする。字幕翻訳には、そうした技術が求められます」
そのため茂岡さんは日ごろから多くの作品を見て、字幕翻訳者は誰で、どの字幕がよかったか、どんな字幕に自分は引っかかってしまったかをメモし、自身の翻訳に活かしている。さらに、翻訳の際に注意すべき表現は時代と共に変わるため、常に勉強が必要だという。
新井先生も「ウクライナの首都『キエフ』がいつ、どのような経緯で『キーウ』と表記されることになったかなど、普段から世の中にアンテナを張り、新しい情報や知識をキャッチアップしていくことが大切です」と語る。「受講生には『理解しやすく、正確な情報を視聴者に届けられているか』を常に意識するよう伝えていますが、茂岡さんは修了後もずっと、それを念頭に置いて仕事にあたってくださっています。翻訳は正解がない問いに答えていく仕事で、とてもハードですが、やりがいがありますし、同じ作品には二度と出会えないという一期一会の楽しみもあります」
さらに、茂岡さんは「長く続けていける仕事として、私は翻訳に興味をもちました。そのためには、スクール選びの段階から積極的に動くことが重要」と語る。「フォアクロスは修了後にトライアル受験と仕事への道が開かれています。受講中はスクールですが、修了後はクライアントとしてお付き合いを続けていく相手です。納得のいくコミュニケーションが取れる相手かどうか確かめることで、その先のキャリアに繋がるようなスクールが見つかると思います」
※本インタビューは2023年時点の内容です。