Interview
実務翻訳は常に刺激があって楽しめる仕事

MRI語学教育センターの修了生であり、20年以上に渡ってフリーランスの翻訳者として活躍する二見聰子さんは、外資系ブランドや航空会社、ホテルチェーン等のウェブサイト、プレスリリースなどの翻訳を手掛けており、『DELL世界最速経営の秘密』(スティーブン・ホルツナー著)といった訳書を出している。
「企業の最新の動きに直に接することができて、原文を読むことそのものが楽しいですね。英文の意図を理解し、それをいかに的確に日本語で表現するかを考え、クライアントのニーズに合った訳が仕上がると、さらにうれしい。試行錯誤して悩むことはあっても、言葉が好きな人にとっては、常に刺激があって楽しめる仕事です」と、実務翻訳の魅力を語る。
通信講座「基礎から学ぶ実務翻訳(英日・日英)」のテキスト執筆なども手掛ける二見さんは、「学校英語と翻訳に必要な英語は異なります。『学校で英語は得意だった』という人でも、プロの翻訳者になるには、翻訳ならではのルールを学ぶ必要があるでしょう」と言う。
例えば、学校英語ではよく「関係代名詞節は後ろから訳す」と習うが、翻訳の世界では、原文の語順に沿って頭から訳すのが原則。「文章とは、書き手の思考の流れに沿って書かれているものです。無理に後ろから訳すのではなく、原文の流れに合わせたほうが、自然な日本語になります」
翻訳者にはAIを使いこなすための基礎力が必要
現在、翻訳の世界は大きな変化の中にある。以前は、Wordファイルで届いた原文を訳してメールで納品するといった方法が一般的だったが、いまや、クラウド型の翻訳支援ツール(CAT)を使用する案件が主流になった。このツールには過去の訳やクライアント指定の用語集などが入っているが、最近では機械翻訳(MT)が組み込まれていることも多い。
機械翻訳をベースに訳す場合は、誤訳がないかどうかを確認しながら、表現を磨き上げる必要がある。二見さんは、「機械翻訳を組み込んだツールを使う案件は、全体の8割ほどを占めるようになりました。その結果、翻訳者にはさらに基礎力が求められるようになっています」と話す。
「MTは一見きれいな日本語に訳せているように思えますが、実は意味を取り違えていたり、肝心なところが抜けていたりする場合があります。機械のミスに目を光らせつつ、個々の単語の意味や構文を正しく理解して質の高い訳に仕上げるには、AI以上の翻訳力を備えている必要があるのです」
二見さんによると、その力はやはり学習によって得られるとのことだ。「自己流で学ぶよりも、翻訳学校で基礎をひととおり学ぶ方が効率がいいでしょう。訳文を添削してもらうことも重要です。仕事として始めると、細かいところまでフィードバックしてくれることはまずありません。自分で確かな品質の翻訳に仕上げる力を、学習しながら身に付ける必要があります」
受講中からCATを活用し、スムーズに仕事を開始

MRI語学教育センターでは、プロとしての実力を強化する「Step2」の講座で、実務翻訳の世界で広く使われているCATツール「Phrase TMS」を導入。自宅にいながらにして、ツールを活用した翻訳の流れを習得することができる。
さらに、二見さんが執筆に携わっている「基礎から学ぶ実務翻訳(英日・日英)」のテキストは、機械翻訳やCATツールにも触れており、時代に即した内容にリニューアルされつつある(2025年春リニューアル予定)。
スクール担当者の鈴木佐和子さんは、「英日のテキストでは、機械翻訳と人間の翻訳を比較した解説があるのですが、個人的にも面白いなと思います。また、翻訳者の守秘義務についても触れています。GoogleなどのAI翻訳は、入力した文章がデータベースの中に残ってしまうため、案件で支給された原文をそのまま訳にかけることはできません。このように、一般の人は気付きにくい、プロとして仕事をしていく上で不可欠な内容を含めました」と話す。
成績優秀者はトライアルなしで翻訳者登録が可能
「Step2」の課題を平均90点以上で修了した受講生は、トライアルなどの試験を経ることなく、メディア総合研究所にプロとして登録することができる。スクール修了生から登録翻訳者になることのメリットについて、二見さんはこう教えてくれた。
「翻訳会社での仕事は通常、短期間で大量の訳をこなすなど厳しいものになりかねませんが、スクール時代からの付き合いがあると、得意分野を配慮してくれる、実力に合った分量の仕事を発注してくれるなど、キャリアをスムーズにスタートさせることができる可能性があります」
MRI語学教育センターは通信講座が主体で、時期や住んでいる場所を問わず、都合のいいときに学習を開始することが可能だ。自宅で空き時間に受講して、実務翻訳の世界の最新事情に触れてみよう。
※本インタビューは2025年時点の内容です。

