英字新聞のジャパンタイムズがお届けする
通訳・翻訳業界の総合ガイド

  1. トップ
  2. 通訳・翻訳スクールの講義紹介
  3. NHKグローバルメディアサービス バイリンガルセンター 国際研修室

NHKグローバルメディアサービス バイリンガルセンター 国際研修室

NHKが求める正確な訳を学びあらゆる場面に対応できる英語力を身につける

正確な表現で情報を届けるのが、NHKの放送現場における通訳・翻訳者。実際に同校の卒業生が多く活躍するように、放送現場のニーズに応えたスクールとして他に類を見ない。正確でわかりやすい訳出は、放送現場に限らずどこでも必要とされるスキル。国際会議など、実際に多領域で活躍する卒業生も多い。

インタビュー

勉強仲間とともに切磋琢磨しながら学べる環境

NHKの放送現場で活躍する通訳・翻訳者育成を目的に設立されたのが、NHKグローバルメディアサービスの国際研修室だ。最終修了段階で求められるのは、信頼されるレベルで正確に情報を届けられる力。漏れなく聞き取り、一回で正確に伝わるような高い訳出力を養成している。

実際の放送現場では、国際情勢をはじめとして、あらゆるニュースジャンルが飛び込んでくる。「たとえば海外で紛争が勃発したとニュースが入ってきたときに、英語力があれば、言葉は置き換えられるかもしれません。でも、『あの国の、あの出来事の続きの話ね』と過去の情報と結びつけて理解しているかどうかで、訳の深みが違ってきます」と講座担当者が話すように、講座でも幅広い知識を必要とする練習が繰り返される。

通訳系のクラスで利用するLL教室。新型コロナウイルス感染拡大防止の対策は万全

もちろん、プロレベルに達するまでには、レベル別講座で段階的に成長していくことができる。受講前にはレベルチェックテストがあるので、適切な講座からスタートすることが可能だ。授業は基本的に、新型コロナウイルス対策をしっかりと行った上で(全教室に空気清浄機、全席3方向にアクリル板設置)、対面式で実施されている。その場で聴音確認ができるLL設備、放送教材を視聴できる環境、そして臨場感をもったきめ細かい指導で、学習効果を高めることを目指している。さらに、毎週の通学で受講生同士の横のつながりが深まっていくのも重要だという。「一緒に勉強してきた仲間というのはとても大事な存在です。受講生同士で勉強会をしている例もありますし、先々プロになってからも、同時通訳などの連携場面で、仲間意識があるのは大きいです」。

時事問題を多く取り入れた実践的な講座

講座は大きく、通訳系と翻訳系の2系統がある。「入学される方は、国際的なニュースに興味がある方が多いですね。ご自身の仕事で英語を使うことが多いものの通訳・翻訳を頼まれて困ってしまったので、と来られる方もいますね。NHKの放送で通用するスキルは、放送現場に限らず、どの仕事でも使えるものです」と講座担当者が話すように、どの講座にも共通しているのは、シンプルでわかりやすい言葉を使いながら、正確に通訳・翻訳できる人材の養成だ。

通訳系では、放送素材のみならず国際会議やセミナーなど、さまざまな音声を瞬時に通訳する力を身につける。上級の「放送通訳」講座では、国際ニュースの英語音声に日本語訳をボイスオーバーしていく。授業では臨場感を高めるため、事前予告なくさまざまなニュースを流し、その場で原稿を作成して映像にあわせて読むことを繰り返す。どのようなニュースが来ても対応できるよう、情報のリサーチ力も重要だ。なお「放送通訳」は英→日の通訳練習が中心だが、他に日英両方扱う「同時通訳」講座も行われている。

シャドーイングやサイトトランスレーション、声出し読み上げなどさまざまな訓練方法があるが、これらは基礎レベルの「ニュース英語」や「通訳基礎」講座から上級レベルまで、一貫して行うトレーニングだ。初級から時事問題や放送素材も取り入れるので、常にプロレベルを意識しながら学習することも可能だ。

翻訳系のクラスで利用する教室はPC完備。こちらもコロナ対策は万全なので安心して講義が受けられる

翻訳系も基礎レベルから上級レベルまでそろっている。「放送翻訳」講座卒業生は、日本の話題を海外に発信するときの翻訳で活躍している。授業では、NHKのドキュメンタリー番組の台本・ニュース原稿、また新聞記事などさまざまな教材を使ってスキルアップを繰り返す。台本の場合は事前に課題が出され、ある期間で仕上げてから授業に臨む。そして授業中に映像に自身の訳をあてながら、訳の正確性や言い回し、尺の長さなどを改善していく。ニュース原稿に特化した「日→英ニュースライティング」は短時間で放送用の英語原稿を仕上げる。いずれも「ライティングスキル」や「Writing Skills for Translation」などの基礎講座があり、レベルに合わせてスタートすることができる。

コツコツと積み上げて、放送現場で活躍するプロへと成長

講師は全員がNHKの放送現場のプロで、臨場感ある現場経験が指導に詰め込まれている。またどの講座も、講師がチーム体制を組んで担当しているのも特徴である。受講生側も多様な講師の経験を学ぶことができ、講師同士も相互研鑽で指導レベルの向上をはかる。一人ひとりの学習状況を講師内で共有する場もあり、きめ細かい指導を可能にする体制が組まれている。

卒業生には通訳・翻訳スキルの初級レベルから始め、現在はプロで活躍されている方も多い。たとえばある通訳者は、7年かけて学校を修了した。もともと英語力は高かったが、最初に入学したのは初級の「ニュース英語」講座。そこで「ニュースで言っていることはわかるけれど、それを一言一言漏らさずに聞く癖がついていない」ことに気づいたという。さらに、「ある紛争地域についてディスカッションしてください」と言われたときに、問題の背景がわからず全然ディスカッションに参加できないという経験もしたそうだ。

そこから基礎を改めて学び直すとともに、世界の歴史を勉強し、日々ニュースを聞く習慣をつけ、努力を重ねながら受講レベルをあげていった。大勢の受講生を見てきた講座担当者は、「最初のレベルチェックテストで下のレベルになったからといって、がっかりすることではないんです。むしろ、本当の基礎から身につける方が、早道になることもあります。一言も漏らさずに正確に聞く練習から、ぜひ始めてみてください」という。

正確な理解と訳出力が、信頼される実力そのもの

国際的な放送コンテンツが増えていく中、放送現場の第一線で活躍できる通訳者・翻訳者は常に求められている。当校卒業生は、NHKの放送現場で仕事を始めることも可能だ。また、NHKグローバルメディアサービスでは通訳・翻訳のエージェント業務も行っており、国際会議など同時通訳講座の受講生・卒業生が活躍できるルートも確立されている。

授業前後の空き時間に自習したり、軽食がとれるラウンジ。無料で英語の本が借りられるライブラリーもある

情報への高い信頼を得ているNHKだからこそ、放送現場で求められるレベルも高い。しかしその水準に到達するということは、どのようなシーンでも活躍できるともいえる。「ニュースが好きな方、興味がある方はぜひ、当校の講座を体験してみてください。通訳・翻訳をするならどの場面でも、正確な理解力・表現力が欠かせません。ここで通訳・翻訳のための基礎体力を徹底して身につけ、誠実な訳出ができるようになると、放送現場のみならずどのような仕事の場面でも活用できると思います」と担当者も口にする。誠実で信頼される通訳・翻訳者になるために、NHK水準を身につけられる学習機会に挑戦してはいかがだろうか。

School Data

所在地

〒150-0047 東京都渋谷区神山町5-5 NRビル6階

問い合わせ先

電話:03-5453-3412
FAX:03-5453-3486

開講時間

詳細はWebサイトを参照

通信・オンラインの有無

なし

スクールのホームページを見る

通訳・翻訳スクールの講義紹介一覧

こちらもどうぞ

自分の目標、自分のなりたい姿に合わせてスクールを選ぼう。