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【連載コラム 第42回】辛酸なめ子の英語寄り道、回り道

メーガンさんのサイン本の末路

 イギリスに帰国してから、一挙一動が注目を集めているヘンリー王子とメーガンさん。チャールズ国王から「一般市民」扱いを発表されたり、警備の問題で早くもお子さんの転校が余儀なくされたり、早くも前途多難の日々です。

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 ウィリアム王子やキャサリン妃からは敬遠されているメーガンさんは、同じく距離を置かれているユージェニー王女やベアトリス王女と仲良くして派閥を作りたいところでしたが、ショックなできごとが起こってしまいました。ロイヤルウォッチャーとして海外のサイトなどを調べさせていただき、ことの経緯についてお伝えします。

 最近eBayに出品された、ある一冊の本が注目を集めました。メーガンさんが出版した2021年の児童書『The Bench』です。父の日に、ヘンリー王子と長男アーチー君への想いを込めて書いた詩が元になった絵本。

 ちなみに、こんな文章から始まっていて、母親であるメーガンさんの目線で愛しい夫と息子について綴られています。

“This is your bench / Where life will begin / For you and our son / Our baby, our kin.”

「ここがあなたのベンチ / あなたと私たちの息子、私たちの愛しい子の人生がここから始まるの」

 冒頭から自分に酔っているようですが……こんな幸せいっぱいの本が、メーガンさんのサイン入りで出品。ご本人のサイン入りならロイヤルファンにとって垂涎の一冊。約20,000ポンドで出品されていたそうです。(ニュースになったのでその後取り下げられたとか)

 サインには「Eug and Jack」と宛名が書かれていました。それがなんと、イギリス王室のユージェニー王女と夫のジャック(職業はマーケティング専門家)に宛てたメッセージではないか、と話題騒然になっています。

 カリグラフィーのスキルを持つメーガンさんならではの独特な筆跡で書かれたメッセージ。

“I wrote this poem at Frogmore – I hope that Eug. you witness the same love there with you guys.

“All love, Megh.”

と、こんな風に文章は続いていました。

「私はフロッグモアでこの詩を書きました。ユージェニー、あなたもそこであなたの愛する人たちと、同じような愛の姿を目にすることを願っています。すべての愛を込めて、メグ」

 2020年までヘンリー王子とメーガンさんが住んでいたフロッグモア・コテージで書かれた詩が素敵な絵本になって出版。ちょうどユージェニー王女の第一子が生まれたあとの、2021年12月頃に本が贈られたようです。ユージェニー王女は、そのあとに同じフロッグモア・コテージを借りて住んでいたという縁がありました。同じ家で、家族が増える、という幸せのシンクロが。そんな記念すべき本が、オークションで売られて、世間にも知られてしまうとは気まずいです。

 海外のゴシップサイトによると、最近はヘンリー王子&メーガンさんとユージェニー王女は、それほど親しくないそうです。かつては家族ぐるみで仲良くしていましたが、お互い状況が変わってしまいました。いろいろあってメーガンさんを見限ったユージェニー王女が本をオークションサイトに出品したのでしょうか。父親であるアンドリュー氏が逮捕されたこともあり、後ろ盾を失ってお金に困っているのかもしれません。それとも、単に断捨離したかったのか……。人を介して出したのかもしれませんが、出品者のコメントには「王族の一員が直接別の家族へ送る親密な贈り物は、公開オークションで極めて稀です。この本は、真剣な王室記念品収集家、サイン収集家、あるいは現代のアーカイブマニアにとって、最高峰の一冊です」と書かれていました。

 報道によるとユージェニー王女は、eBayに出品されたことが報じられると、急いでメーガンさんに謝罪の電話をかけたそうです。怒りっぽいメーガンさんの逆鱗に触れたら大変です。あるサイトの見出しには

“Horrified’: Princess Eugenie ‘apologises’ to Meghan Markle .”

「恐怖に駆られたユージェニー王女は、メーガン・マークルに謝罪した」と書かれていて、メーガンさんの怒りを恐れてかなり焦っていたことが伺えます。「私は本の販売に直接関与していない」こと、「メーガンさんからの個人的な贈り物を故意に売り渡すことは決してない」ことを訴えたとか。

 では一体、この個人的な贈り物の本を誰がどうやって手に入れたのでしょうか? 王室系の作家の見立てによると、ユージェニー王女とジャックが2022年にフロッグモアから退去するとき、本を置き忘れてしまったのでは?という説が。

「本がソファの後ろに落ちてしまってそのまま見つけられなかった」というのが、平和な解釈です。故意に置いて出て行ったというのなら、それもメーガンさんにとってショックです。

 別の推理は、ウィリアム王子がヘンリー王子とメーガンさんを避けているので、ウィリアム王子に自分たちはメーガンさんともう親しくないとアピールするため、わざと出品した、という説。いつか王位を継ぐウィリアム王子に対し忠誠心を見せたかった、というのが理由です。メーガンさんは王室内でユージェニー王女は味方だと思っていたのに、これもショックです。

 いずれにせよ、メーガンさんは本が置き忘れられた、という説は信じていないようです。「BRF」(ネット用語でイギリス王室。British Royal Family)は、庶民の人間関係以上に複雑で、ドロドロしているのかもしれません。せめてヘンリー王子だけはいつまでもメーガンさんの味方でいてくれることを願ってやみません。

辛酸なめ子: 漫画家・コラムニスト。1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。精神世界、開運から皇室、アイドル観察、海外セレブまで幅広いテーマを対象にエッセイと挿絵で人気を得る。著書に『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)、『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)、『大人のコミュニケーション術 渡る世間は罠だらけ』『新・人間関係のルール』(光文社新書)、『女子校礼讃』『辛酸なめ子の独断!流行大全』(中公新書ラクレ)ほか多数。

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