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通訳・翻訳業界の総合ガイド

フェロー・アカデミー

アフレコ演習も体験、着実にステップアップしてプロデビューに向かう「映像翻訳コース」

翻訳

2025年で50周年を迎えたフェロー・アカデミーは、初歩から始め、翻訳の実践的なスキルを身に付けることができる幅広いコースを備えた翻訳に特化したスクール。「映像翻訳コース」では初級・中級・上級と段階的にステップアップし、プロデビューのためのトライアル合格まで、着実にサポートする。

Interview

「プロとして仕事をしていくための手応えが得られました」

初級から始めトライアル合格まで達成した佐藤環さん

映画やテレビドラマ、ドキュメンタリー番組などの字幕や吹替台本を作る映像翻訳の仕事。翻訳には独特の決まりがあり、プロとして仕事をするには、細かいルールをマスターすることが必須となる。

フェロー・アカデミーでは、初級の「映像基礎」で字幕と吹替における基本的なルールをじっくりと身に付け、中級では「字幕」「吹替」のいずれか、または「吹替・字幕」同時に学ぶクラスを選び、実際の映画やテレビ番組などを題材として、翻訳の一連の流れを習得する。

上級では講師別のゼミを開講。プロとして仕事をしていくうえでのアドバイスを受けながら、訳文の精度を高め、映像制作会社が実施する採用トライアルに挑戦する。どのクラスの講師も、現役で活躍するプロの翻訳者たちだ。

現在映像翻訳の仕事を手掛けている元受講生の佐藤環さんは、会社勤めの傍ら初級のクラスを受講し始め、約2年半で上級まで修了した。「新卒で建設系の会社に就職しましたが、仕事がどうもしっくりこないと感じ、大学で学んだ語学を生かした職業に就きたいと思うようになりました。趣味で小説を書いていることから、ストーリーを語ることに興味があり、映像翻訳を志しました」と言う。

受講開始時、英語台本を見ればほぼ内容が理解できるレベルにあったが、「ルールに則って、見る人にわかりやすい日本語にしていかなければならない。字幕と吹替それぞれでやり方が異なり、単なる英語力以上の力が必要とされると感じました」

授業の形式はライブ配信または通学。佐藤さんは勤めを続けながら平日夜に週1回授業を受け、自宅で翻訳原稿を作成する課題に取り組み、授業前に提出していた。「ただ英語のセリフを日本語にするのではなく、画面から得られる情報や、その場面が作品の中で持つ意味などから、訳文を作っていく必要があることを学びました。次第に訳すスピードが上がり、プロとして仕事をしていくための手応えが感じられるようになりました」

初級を終えると、中級受講と並行してベテラン映像翻訳者の元で下訳の仕事を始めた。翻訳に専念するべく会社勤めは辞め、上級では、映像翻訳者の平井かおり先生が指導する「平井ゼミ」を受講。字幕と吹替両方について、実践的な演習を繰り返した。「とてもフレンドリーな先生で、楽しく続けることができました。ご自身の仕事上での経験を授業でシェアしていただけることも、大変心強く感じました」

アフレコ演習や字幕制作ソフトを経験しながら実践的に学ぶ

フェロー・アカデミーの吹替の授業では、受講生が作成した日本語台本をプロの声優が演じるアフレコ演習を取り入れている。佐藤さんもこれを経験し、「プロの声優さんに読んでいただくと、セリフをどうつなげていけばいいか、改めて気付くことがありました」と言う。

字幕の授業では、映像制作の現場で使用されている字幕制作ソフト「Babel」の操作を習得し、クライアントに納品するための翻訳原稿の制作過程をリアルに学んでいく。

上級クラスの受講生は、受講中または修了時に、映像制作会社のトライアルを受けることが可能だ。一般に、制作会社の実施するトライアルは経験者対象かつ書類選考を課すことが多いが、フェロー・アカデミーの上級クラス受講生は、希望すれば書類選考なしでトライアルに応募することができ、合格すると各社から直接仕事を受注することになる。

トライアル合格を果たした佐藤さんは、「自分で作品を1本仕上げ、翻訳者として作品に自分の名前を出せるよう、努力を重ねているところです」と、生き生きと語った。

プロとしての経験を生かして指導

自身もフェロー・アカデミーの修了生であり、プロとしての経験を生かして指導する平井かおり先生

初級と上級のゼミで佐藤さんを指導した平井先生は、「自分で読んだり聞いたりして理解できるのと、見る人に伝わりやすい日本語を書くのとでは、かなり異なります。翻訳者は、日本語の表現力を養うことがとても大切です」と言う。

映画『ドリーム・シナリオ』の字幕やドラマ『クイーンズ・ギャンビット』の吹替などを担当した平井先生自身、フェロー・アカデミーの修了生。「皆さんがどのようなことを最も知りたいと考えているか、自分が受講生だったころを思い出しながら指導しています。また、プロとしては、納品後に映像制作会社から入るクライアントチェックをイメージしながら、修正すべき点についてアドバイスしています」

授業とプロの仕事では、求められる量とスピードが圧倒的に異なるという。「学ぶために訳すときは、数分の映像に何日もかけてもかまいませんが、1本約2時間の映像作品を訳すとなると、そういった時間の余裕はありません。基本的なルールを身に付けたら、できるだけ多くの映画やドラマを見て、わかりやすい日本語の表現をすばやく生み出していくための感覚を養ってください」

フェロー・アカデミーのライブ配信授業には、国内各地のほか海外在住の受講生もいる。初級では動画で学ぶ通信講座もある。自分のライフスタイルに合った受講形式を選んで始めてみよう。

2024年 インタビュー

2023年 インタビュー

2022年 インタビュー

Photo

通信・オンライン講座

ライブ配信講座「映像基礎」

映像翻訳の3つの手法「吹替」「字幕」「ボイスオーバー」のルールを学び、それぞれの手法に応じた基本スキルをバランスよく身につける。
吹替の授業では、プロの声優によるアフレコ演習をカリキュラムに取り入れ、受講生が作成した日本語版台本をもとに声優が演じ、読みやすい台本や商品として通用するセリフまわしを体得できる。

受講期間
約4カ月
受講料
154,550円(税込)
ライブ配信講座「吹替・字幕」

長編作品を用いて、ストーリーの流れを重視したセリフを学ぶ。作成した原稿は話題作品を数多く手掛ける講師が制作現場の目線でチェックすることで、制作側と視聴者両方の目を意識できるようになる。
全10回の授業のうち前半は字幕、後半は吹替に取り組み、吹替のうち1回は受講生の台本をプロの声優が読み、声優から台本指導が受けられる「アフレコ演習」を行う。

受講期間
6カ月
受講料
121,700円(税込)
通信講座「映像基礎」

映像翻訳の3つの手法「吹替」「字幕」「ボイスオーバー」のルールを学び、それぞれの手法に応じた基本スキルをバランスよく身につける。
受講期間中に1回、スクーリング(無料)を開催して、先生に直接質問できる機会を用意。また、表現力を広げるための資料として、講師による訳例のほかに複雑の参考訳も共有する。

受講期間
5カ月(+サービス延長期間1ヶ月+質問期間30日)
受講料
90,200円(税込)

お問い合わせ先

フェロー・アカデミー

  • 所在地:〒102-0083 東京都千代田区麹町2-2-4 麹町セントラルビル2階
  • TEL:0120-024-240(フリーダイヤル)
  • URL:https://www.fellow-academy.com/

School Data

所在地

〒102-0083 東京都千代田区麹町2-2-4 麹町セントラルビル2階

問い合わせ先

電話:0120-024-240(フリーダイヤル)
メールフォーム:https://www.fellow-academy.com/inquiryform/

コース

総合コース
専門コースなど

通信・オンラインの有無

あり

営業時間

平日:9:00 ~ 21:00
土曜:9:00 ~ 17:30

Recruiting Summary

入学時期

総合コース「カレッジコース」:4月
総合コース「ベーシック3コース」:随時
実務翻訳コース/出版翻訳コース/映像翻訳コース:随時
通信講座:随時
録画配信講座:随時

学校説明会

随時実施
別途個別カウンセリング・体験レッスンもあり

受講料(目安)

1,265,000円(税込)(カレッジコース)
385,000円(税込)(ベーシック3コース)
8,800円(税込)~(実務翻訳コース/出版翻訳コース/映像翻訳コース)
37,400円(税込)~(通信)

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