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通訳・翻訳業界の総合ガイド

インタースクール

通訳・翻訳のプロの世界に触れるイベント「未来へつながるスキル・ツールを体感」

通訳 翻訳

インタースクールは1966年の創設以来、数多くの通訳者・翻訳者を国際社会の第一線に送りだしてきた。その長年の経験を活かし、プロに必要なスキルや実務で不可欠とされるツールなどを知るためのイベントを、2024年3月3日に東京校で開催した。イベントの様子を追いながら、現在の通訳者・翻訳者に求められているものとは何かを紹介する。

Interview

通訳の現場で使う「パナガイド」と翻訳支援CATツールを体験

押田先生 

ツールを使いこなすことは、プロの通訳者・翻訳者にとって必須である。インタースクールは一般の参加者及び受講生向けに開いたイベントで、通訳者向けの無線システム「パナガイド」と、翻訳で使用されるCATツールを実際に使用できる機会を用意した。

「パナガイド」は、1台の送信機から複数の受信機に一斉に音声を送る機器。通訳ブースがない工場見学や美術館・博物館、ショールームなどの案内で実際に活用されているものだ。第一線で活躍する通訳者でありインタースクール講師も務めている押田泉先生は、「ウィスパリングのように相手の耳元でささやくタイプの通訳にも利用しています。複数の聞き手にクリアな音声を届けることができます」と説明する。

さらに英語インタビュー音声を流し、参加者1人1人が実際にパナガイドを使って1文ずつ通訳するという試みを行った。「きれいな日本語で訳せています」「通訳には背景知識があることも大切です。好奇心旺盛にさまざまなことにチャレンジしてください」というコメントやアドバイスが伝えられた。

「まったく未経験ですが、勉強を重ねればプロの通訳者になれますか」という質問には、「勉強に要する時間は人によって異なりますが、誰にでも通訳者になれる可能性があります。会議場での通訳に加えウェブ会議での通訳も必要になってきて、今はコロナ前より仕事が増えている状況です」と答えていた。

参加者の辻平さん林さん
現在勉強中の参加者・林さんは、「パナガイドは音声がクリアなので、訳出の精度を高めなければいけないと感じました」と感想を話した。同じく参加者の辻平さんは、「多くの現場で活躍している先生に丁寧に指導していただき、安心して受講することができました」と話していた。

また、「CATツール」と呼ばれる翻訳支援ツールの講座については、プロの翻訳者であるインタースクールのイギリス人講師マックス先生が担当した。翻訳の世界では現在、訳文のデータベース「翻訳メモリ」や用語集を備えた「CATツール」が不可欠のものとなっており、翻訳案件の約3分の2で使用されているそうだ。

マックス先生は現場で広く利用されている「Phrase TMS」の使い方を1ステップずつ丁寧に指導し、パソコン上で実際に操作を体験してみた参加者たちは、「自動翻訳のアプリとはまた違うんですね」「思っていたよりシンプルです」と、興味深そうに話していた。

リプロダクションやサイトトランスレーションで通訳の実践スキルを鍛える

通訳スキルについては、国際舞台で活躍している通訳者であるインタースクール講師・平井聖一先生が、リプロダクションとノートテイキングに関する演習を行った。

平井先生
リプロダクションとは、音声を節や文の単位で聞いて覚え、それを口に出して再現するという通訳訓練法の一つ。短期記憶が養われ、リスニング力や英文構成力の向上につながる。平井先生は英語インタビュー音声を流し、参加者1人1人が1~2文ずつリプロダクションにチャレンジした。

「そっくりそのままでなくてもいいのですが、内容を変えてはいけません」「通訳者は『アー、アー』といった余計な音を出してはいけません。聞き手にとっては雑音です」といった指摘をしつつ、「英語を単語で聞き取ろうとせず、頭の中でイメージを作り、それを言葉として出すことが肝心です」とアドバイスした。

ノートテイキングについては、「書き留めるのは固有名詞や数字。例えば『台湾』はTと書くなど、自分で略し方を決めておくといいでしょう。聞き取れたことをすべてメモする時間はありません」と話していた。

「リプロダクションは難しい」「覚えられない」という参加者の声に対し、「通訳の仕事はスポーツに似ています。ひたすら練習して反射神経を高めることが大切。通訳の才能がある人とは、練習を続ける能力がある人のことです」と答えていた。

参加者の中から、インタースクールの授業を普段オンラインで受けている佐竹さんに感想を聞いた。「対面だとやはり緊張感が違いますね。こうして直にお話を伺うことはとても大切だと感じました」

英文を頭から語順の通りに訳していくサイトトランスレーションの演習は、25年以上の講師実績を持つ新熊富美子先生が行った。「英語では人名に敬称がなくても、日本語では一般の人には『さん』をつけます」「英語で代名詞itになっている場合、『それ』と訳すのではなく、何を指しているかを読み取って具体的に言ってください」といった細かい指導が行われ、通訳者に必要なスキルを実践的に理解できる機会となった。

未来につながるスキルツールを体験
スクール担当者は、「AIでは微妙なニュアンスの違いに対応しきれず、通訳者や翻訳者のニーズは増え続ける一方です。ぜひ多くの方に挑戦していただきたいと考えています」と話す。インタースクールでは、体験授業やセミナーを随時オンラインと東京校・大阪校の対面で実施している。また、4月・10月の年2回のレギュラーコース開講に向けて、3月・9月に東京校、そして大阪校でも同様の体験型イベントを開催。これらに参加して、ぜひ通訳と翻訳のプロの世界に触れてみよう。

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通信・オンライン講座

通学型授業

未経験からプロになるをスローガンに、現役通訳者が徹底指導。通学制ならではのスピード感、緊張感で本気でプロ通訳者を目指す。

通訳準備科(東京校)
会議通訳コース(東京校)
通訳・翻訳のための英語専修科(大阪校)

受講期間
5ヵ月
受講料
インタースクール公式webサイトをご確認ください。
入学金
33,000円(税込)
オンライン双方向型授業

双方向でのオンライン授業を実施。自宅にいながら、プロ通訳者・翻訳者の指導の下、実務に活きる授業を受けることができる。

通訳準備科
会議通訳コース
翻訳準備科
産業翻訳コース
通訳・翻訳のための英語専修科
ビジネス通訳コース
国際問題の英語
Speaking&Writing Workshop
医療英語コース
医療通訳コース
医療通訳スキル特化講座
医療通訳Workshop

韓国語通訳者育成コース
フランス語通訳技能養成コース

受講期間
2~11ヵ月
受講料
インタースクール公式webサイトをご確認ください。
入学金
33,000円(税込)
翻訳通信講座【インターeスクール】

仕事に直結!いつからでも受講可能なeラーニング。入学金不要。提出課題は添削・評価し、スキルアップのためのアドバイスを付けて返却される。

英文契約書/英日IR翻訳/日英IR翻訳

受講期間
6カ月
受講料
49,940~66,000円(税込)

お問い合わせ先

インタースクール東京校

  • 〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-2-5 共同通信会館4階
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インタースクール オンライン事務局(総合窓口)

School Data

所在地

東京校 〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-2-5 共同通信会館4階

問い合わせ先

東京校 電話:03-5549-6910
オンライン事務局 電話:0570-067-551
E-mail:school-online@intergroup.co.jp

コース

通訳者養成コース(英語・中国語・韓国語・フランス語)
翻訳者養成コース(英語)・ビジネス英語コースなど

開講時間

詳細はwebサイトを参照

通信・オンラインの有無

あり

Recruiting Summary

入学時期

毎年4月、10月
※その他短期プログラムやワークショップなど

受講資格

希望コースに準じた入学テストの受験

受講説明会

開講時期に合わせて各種イベント・説明会・体験レッスンを実施

入学金

33,000円(税込)

受講料(目安)

詳細はwebサイトを参照

その他

東京校のほか、大阪校(06-6372-7551)、名古屋校(052-581-5599)、福岡校(092-712-9549)への問合せも可能。

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